手工芸 <ひな飾り>
今年も隣の竹やぶから聴こえてきました。
うぐいすの発声練習です。出勤時間に聴こえた声は「ケキョケキョケキョ…」でしたが、数時間後には「ホーホケキョ」を聴いた職員が!
寒さも緩み、花のつぼみも膨らみ始め、ようやくお散歩日和が増えてきました。
先月行われた手工芸「ひな飾り」の制作の様子をお伝えいたします。
まず準備したのは大量の牛乳パック。
ひな飾り本体に使用する牛乳パックは、おかげさまでユニットや厨房、職員さんのお宅から、あっという間に集まりました!しっかり洗浄し乾燥させてから加工します。
ご利用者様には、お内裏様とお雛様を、ゆっくりじっくり作って頂きます。
綿棒を使ったのり(ボンド)付けはおなじみの作業で、皆様も慣れた手付きです。文鎮などで押さえれば、片手でも作業がスムーズです。
在庫にあった美しい和紙が大活躍。色柄はお好みで選んで頂きます。時間はたっぷりありますので、よーく迷って選んでください。十二単の雰囲気を感じて頂けますように…
通りすがりの職員さんも興味津々で覗いてくださいます。いつもお声がけをありがとうございます。
繧繝(うんげん)柄の畳に金屏風。そこに男雛女雛を丁寧に載せてくださるご利用者様。それを更に牛乳パック製の台座に貼り付けて、ほっと一息ついた時点で…「ん?」
黒い覗き窓にお気づきの方が、早速中を覗き込んでいらっしゃいます。
「あぁ…万華鏡だ…」
予め職員が準備した万華鏡のキラキラパーツには、ビーズ細工と苑庭に咲くパンジーの押し花が使われています。
牛乳パック内側に貼ったミラーシートに反射して、たくさんの花びらが…見えるはず…
「何か見える!」「言われてみれば花びらね…」「きれい~!」
万華鏡を覗いて一息ついたご利用者様。ゴールまであと一歩…最後の工程です。
「えーっ!まだあるの~!」
はい。大切なお名前の頭文字(ひらがな)の印を押して頂きます。
皆様気持ちを引き締め、緊張の面持ちでハンコを握られます。
「どうしよう~代わりにやって~!」いえいえ大丈夫です、試し押しをしてみましょう。
梅の花びらに、お名前の一文字をハンコで押して貼り付けましたらようやく完成です!
早めに出来上がったご利用者様は、おひな様にご挨拶。「大きいわねえ」「豪華ですよね」「飾るのも一仕事ね」
ステキな笑顔にステキな作品。皆様ご満足のご様子です。
感染症対策が強化される時期、また寒さでお庭にも出られないこともありご利用者様の日常生活も閉塞的になりがちでした。何かと制約のある日々ではありますが、ささやかでも心ときめかせて頂ける体験を、何かに夢中になれる瞬間を、お届けできればと思います。
飾って良し、覗いて良しの雛人形、どうぞお手元で可愛がってくださいませ。
(アクティビティケアチーム<ACT> 齋藤)