春の出会い
さくらの花のつぼみも日ごとにほころび、足元にはタンポポやオオイヌフグリの花が。
袴姿の女子学生もちらほら見かけ…
心浮き立つ季節となりました。
音楽療法のセッションも季節に合わせて模様替えです。
ご利用者様がお運びくださったとたんに春を感じて頂けるように、視覚から聴覚から明るさと温かさをお届けします。
弥生三月。たくさんの花が咲き、樹々が芽吹くこの季節、春を歌った歌も色とりどり選り取り見取りです。あれもご紹介したい、これも歌って頂きたい…曲目を絞るのも一苦労です。
『早春賦』に『うれしいひな祭り』『北国の春』は常連です。門出の歌の『仰げば尊し』は皆さんの一体感が感じられる大切な曲です。思いがけず『卒業写真』では、皆様の息の合ったミュージックベルの演奏を聴かせて頂きました。『いい日旅立ち』『また逢う日まで』、送別会の宴会気分で『お座敷小唄』などなど…
ある日のセッションでは、金管楽器の飛び入り演奏がありました。
『アルプスの少女ハイジ』のオープニング曲と共に現れたのは…なんと、動物専門学校の学生さんです。動物介在活動の実習の合間に、特技を生かして音楽療法のセッションにも参加してくださいました。
「この楽器をご存知ですか?」
「トロンボーン?」
「おぉー!」
なかなかお目にかかれない楽器ですよね。
まずはトロンボーンの音量に圧倒されるご利用者様。
勇壮な立ち姿に目が釘づけのご様子です。
やがてその温かく雄々しい音色に包まれ、ある方は心地よさそうに、ある方は感極まって。
ダイレクトに感じられる息遣いは、ある時は深く、ある時は軽快に、ご利用者様を音楽に引き込んでいきます。
皆様には、歌で、合奏で、貴重なトロンボーンとのアンサンブルを体験して頂きました。
言葉の要らないその一体感の中で、学生さんにも感じて頂けるものがあったようです。
「ちょっと触らせて」「娘が同じ楽器をやっていて思い出すよ」
活動終了後も、ご利用者様が集まっていらっしゃりお話が弾みます。
生き生きと高揚された表情を見せて頂けて、私たち職員にとっても嬉しいひとときとなりました。
心に残る素敵な出会いと素敵な音楽に感謝です。
(アクティビティケアチーム<ACT> 齋藤)